北京、ロンドン、リオと3大会でのオリンピック出場。ワールドカップの転戦。アジア・日本のMTB(マウンテンバイク)界を引っ張るプロアスリート山本幸平選手。世界で戦う厳しい環境、孤独、苦悩・・・挑戦。2018年、2020年への想いを語ってもらった。インタビューは、現在の拠点でもある長野県松本市でのトレーニング前に。この日は、身体のバランス、体幹トレーニングを中心のメニュー黙々と行っていた。1年間のハードなレースを乗り切る身体作りの一部を見せてもらった。そんな、山本幸平選手は、2018年シーズン、2020年東京に向けて、どんなことを想っているのか・・・。

2017年を振り返って・・・
精神的に苦しかったシーズン。自分が求める、ワールドカップでのトップ10、1桁を目指してやっている中、実際の走りは、開幕戦から噛み合わないレースが続いた。何が噛み合っていないのか、コントロールできないまま時間が過ぎた。データ的には、過去最高の数値が出ているものの、レースで結果がでない、修正できないことで精神的に疲れていた。7月の第30回全日本マウンテンバイク選手権に出場するために帰国したが、精神的な疲れから、出場することを悩んだ。レースを楽しめない自分が苦しかった。しかし、連覇のかかった大会、日本人選手トップとしての意地やプライド。タイトルを取ることの重要性。日本では、絶対的に負けてはいけないという強い気持ちで出場。結果、1回もトップを譲ることなく、3年連続9度目の優勝を飾った。しかし、気持ち的には、納得がいかない。ワールドカップでの感覚のズレは修正できていない。常に、頭の中では、ワールドカップを戦う自分をイメージしていた。今の自分では、世界のトップ10選手とは戦えないのではというジレンマ。全日本では優勝はしたものの、スッキリしない。そんな、苦悩した2017年シーズンだった。

2018年に向けて・・・
多くの選手は、自転車メーカーのチームでレース活動を行う。今シーズン、山本選手は、メーカーチームではない日本“初”となる、国際自転車競技連合(UCI)登録のマウンテンバイクチーム「ドリームシーカーMTBレーシングチーム」でレース活動を行う。日本人3選手が所属し、山本選手が自分の後継者として期待する、U23の北林力(きたばやし りき)選手も参加。自身の選手活動と共に、若手育成にも力を入れる。この新体制で、今シーズンは、過去2度出場している4年に1度のアジア大会での金メダルを目指す。アジア選手権では、優勝しているが、アジア大会では優勝していない。プロキャリアの中で、アジア大会での優勝は成し遂げたい。取りたいタイトル。今は、この大会に向けてモチベーションを高めている。もちろん、2017年シーズン消化不良に終わった、ワールドカップでの1桁入賞も目指したい。

2020年東京への想い・・・
あと2年、どのように過ごしていくのか・・・まずは、今回立ち上げた「ドリームシーカーMTBレーシングチーム」の土台作り。チームとして、結果を出したい。2017年シーズン、ワールドカップで満足のいく結果を出していないので、満足のいく走りでもう一度結果を出すこと。感覚を戻すことが、2020年への最初のステップになると思う。2019年は、プレオリンピックがあるので、そこで、いい走りを見せること。2020年は、最後の力を出す。やれることは、全部やる。選手としては、最後の大会。プロMTB選手としての集大成の、残り2年間。出せる力をすべて出すため頑張りたい。選手としても、その後の人生にも大事な大会になる。最大限の準備をする。日本開催なので、ぜひ、生でレース観てもらいたい。山本幸平の生き様、気持ちを見て欲しい。もちろん、メダルを獲りたいと思います。

MTB(マウンテンバイク)の魅力・・・
レースは楽しいです。特にワールドカップは、世界のトップ選手が集まる独特の空気感がある。自分との戦い、気持ちを出し切ったときの達成感が好きです。子供の頃、自然の中での遊びとして自転車に乗っていた、毎日毎日、日が暮れるまで自転車。とにかく楽しかった。
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大東建託の皆様へ・・・
サポートに感謝します。ありがとうございます。TEAM DAITOの一員になって、他の違う競技の選手も気になるようになりました。特に、若い選手達を見ているとMTBを始めた頃を思い出します。初心を思い出す良い機会になりました。このプロジェクトに参加できることに感謝しています。パワーももらっています。これからも、未来のあるアスリートを応援する取り組みを続けてほしいです。2020年東京でのメダル獲得に向けて頑張ります。応援をお願いします。

取材を終えて・・・
プロ選手としての厳しさを改めて、強く感じた。努力を続けること、世界で結果を出すことの難しさ。国内で10年近くトップの座にいること。簡単なことではない。短い言葉や文章では表現できない。山本選手も言っていたが、2020年東京でのレースを“生”で見たい。言葉では表現できないものが、見られるような気がする。表彰台に上がる山本選手を見たい。そんな想いを抱いた。

 

取材後記(プロジェクト事務局・本社・安全管理部・上田雄磨)
オリンピック出場経験のある山本幸平さんの話を聞けたことは、自分の考えを改められる有意義な時間でありました。MTB競技は舗装されていないオフロードを走行し、タイムを競う過酷な競技です。競技で培ってきた精神力や人間性はその賜物であり、トップアスリートであるなと深く感じました。山本さんは「楽しむこと」が結果にも繋がってくると話していました。これは全てのスポーツを行っている方や我々の仕事にもあてはまるもだと感じます。2020年までの計画を明確に立て、目標に真直ぐ向っている山本選手に頭が下がると共に、是非とも東京オリンピックの大舞台で躍動する姿を生で見られるよう、心から応援したいと思います。
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山本選手、過去のレポート http://team-daito.com/magazine/?p=1158

山本選手紹介ページ http://team-daito.com/athelete/33

 

 

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大東建託「未来のアスリート支援プロジェクト」TEAM DAITO

レポート:青木裕二(clutch-works)