軽井沢アイスパーク・長野県/3月22日(火)
SC軽井沢クラブの強さはどこにあるのか? 世界選手権(スイス)への出発前日、キャプテン・両角友佑氏にインタビュー。
昨年の体験イベント以来、久しぶりに軽井沢アイスパークを訪れた。前週降った雪もなくなり、少し春の気配を感じる。
ここ軽井沢アイスパークは駅から少し離れ、ゆっくりとした時間が感じられ好きな場所でもある。約束の時間ぴったりに、チームキャプテン・両角友佑氏が現れた。世界選手権(スイス)への出発前日ではあるが、とてもリラックスしている様子だった。ここ最近、カーリング男子チームもテレビを含めメディアの露出が増えてきており、注目度もあがってきている。もちろん、日本での試合はもちろん、海外試合でも結果を出してきているからこそでもある。そんな、SC軽井沢クラブのチームキャプテンでもある両角友佑氏に最近の近況を聞くとともに、世界選手権への調整練習を見学させてもらった。
当日は、14時からの練習開始。練習前、チームメンバーはストレッチをしながら談笑。海外遠征前や試合前、ここ、軽井沢にチームメンバーが集まり1週間から2週間程度の合宿を行うのが恒例となっている。投げ込み練習はもちろん、キャプテンである両角氏はメンバーの調子を把握すること、チーム全体でのコミュニケーション強化が目的でもある。練習が始まると、練習前のリラックスした様子から、一投一投、コース、スピードを確認しながら集中した練習が行われていた。カーリングの練習は、この投げ込みが中心になる。目標までのスピードをストップウォッチで測り、正確性(再現性)を何度も反復確認し、正確なショット、乱れのないショットを体に記憶させる。これは、試合での緊張した場面でも、リズムを崩さず、正確な一投を決めるための練習である。常に、試合をイメージして練習している姿がそこにあった。
現在のチーム状況と課題
現在、チームの調子は、かなり仕上がってきていて1番いい状態であると言う。日本選手権でもいい勝ち方をしたし、メンバー全員、精度の高いショットを投げられている。この調子を維持できれば、結果は出せるという自信を見せた。では、海外トップチームとの差はなにか?やはり、ショットの正確性。日本チーム80%に対して、海外トップチームは90%~100%の正確なショットを決めてくる。この10%~20%の差が今の海外チームの差でもある。メンタルの強化が課題のひとつである。しかし、日本チームも、十分に海外チームと戦う力を付けてきているのも事実。体格が有利と言われるスイ―ピング(氷を掃くテクニック)でも、海外チームと引けを取らないし、日本チームは、スピードの速い球(ストーン)が強みでもあり、スピードの速い球(ストーン)は他のストーンを押し出すことができ、一投で逆転できる力を持っている。
キャプテンとしての役割とSC軽井沢クラブ
意識してまとめていない。とにかくコミュニケーションを取ること、意見の出しやすい雰囲気を作ること。メンバーの役割、自分の仕事をきちんとこなせるかの手助けをすること。試合中も、みんなの意見を聞きつつ、最善の選択をキャプテンとして判断する。話をしていても、穏やかな口調の中に意志の強さを感じることができ、冷静で物静かな頼れる兄貴的なキャプテンである。チームは、1年間のほとんどを共にしている。その時間は家族と過ごす時間より長いとのこと。今のチームになって8年。SC軽井沢クラブは、コーチが母であり、キャプテンが兄であるという家族的なチームなのである。そして、そのチーム(家族)は、地元・軽井沢に愛され、地元・軽井沢を大事にするチームでもある。8年間、今のチームでメンバーが競技を続けられるのも、所属する会社の理解と軽井沢という環境がある。その恩返しを、2018年の平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)出場で返したいとチームメンバー全員が想っていることだろう。その平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)出場は、2016年の世界選手権、2017年の世界選手権の2回での順位(ポイント)で、7位以内に入ることで決まる。まずは、現在、スイスで行われている世界選手権での上位入賞が鍵となる。
カーリングの魅力とは
一瞬の動きが速い他のスポーツと違い、じっくりと見られること。スキップ(指示を出す人)の指示を聞きながら、先の展開を想像しながら見る。そして、何より、一投で展開が変わる面白さがある。単純に、ストーン(石)が、サークル内のストーン(石)に当たり、外に出ていくのが爽快です。あの、ストーン(石)が当たる音もなんとも良い。
両角氏からのアドバイスは、試合展開を見る、考える楽しさ。自分なりの作戦を考えて見てください。とのことです。
社員のみなさん、サポーターズクラブへのメッセージ
自分たちが頑張ることができる環境は、応援してくれる皆さんがあって伸び伸びとカーリングがやれています。
チームメンバー全員が、その応援に対して、結果で応えたいと思っています。
これからも、よろしくお願いします!
このレポートが公開されるころ、世界選手権の結果も出ていることだと思います。
http://www.worldcurling.org/wmcc2016
国内(軽井沢他)での試合もあります。
ぜひ、会場に足を運んで試合を見てください。その際は、両角氏のアドバイスを参考に。
レポート:青木裕二(clutch-works)