塚田京選手/荻野海志選手(レスリング)
塚田京選手・荻野海志選手が出場した、全国中学生レスリング選手権大会
昨年も取材に行き、今回、2回目となるレスリング取材。今年の大会には、塚田選手、荻野選手の2名が出場した。昨年は、塚田選手が新1年生の「上がり年」にあたり、体格差のある選手との試合に悔しい敗退。今年は、その「上がり年」に荻野選手があたる。塚田選手は、昨年のリベンジを果たせるのか。600名弱、全国の強豪が集まる大会で、どちらにしても、厳しい戦いが予想され、簡単に勝てる試合はない。久しぶりに見た両選手は、体も一回り大きくなり、少し大人になった印象だ。荻野選手は、レスリング強豪名門中学校に進学。毎日、中学・高校のレスリング部合同練習で汗を流していると言う。1回戦は多少、緊張している様子が見られたが、順当に勝利。2回戦は落ち着いた試合運びで余裕を感じたが、本人いわく納得はいっていない様子。今回の正念場でもある4回戦へと進んだ。相手は第1シードの優勝候補でもある中学3年生。体格差、経験の差が出て、惜しくも4回戦での敗退(ベスト16)となってしまった。本人は悔しかったことだと思う。しかし、本大会でのベスト16は、中学生としてのスタートでは、期待の持てる結果と言えるのではないか。4回戦で負けた相手は、47kg級での優勝を果たした。来年、この大会でのリベンジを果たすだろう。
塚田選手は、38kg級の1回戦に登場。2年目の出場とあって、リラックスしている様子ではあるが、昨年のリベンジ、優勝を目指す気合も感じる。ほぼ完封の危なげない試合運びで、順当にテクニカルフォール(敗者得点なし)勝ちで3回戦を突破。準々決勝へと駒を進めた。昨年は線の細さを感じたが、今年は体幹がしっかりしてきているようにも感じた。これは、筋トレを含め、きちんとトレーニングを行ってきている証拠でもある。また、試合運びについても、戦況を判断しつつ、力ずくではなく、効率良く試合をしているようにも見えた。翌日の準々決勝の試合は、2-8での判定で敗退という結果となってしまった。荻野選手同様、負けた相手は決勝まで進み準優勝した選手。しかし、ベスト8の結果で、JOC杯(全日本ジュニアレスリング選手権大会)の出場権を獲得。このJOC杯は、世界ジュニア選手権大会の予選も兼ねており、世界の扉も見えてくる。
二人を見ていると、確実にステップアップしていることが分かる。歩んでいる環境こそ違うが、目指す目標は同じ。
来年は、各クラスで決勝の舞台に立つことだろう。期待したい。
レポート:青木裕二(clutch-works)