今回、TEAM DAITOに新加入した柳あさこ選手はライフル射撃でオリンピック出場を目指している。ライフル射撃の選手を取材するにあたり少し調べたところ、その歴史は古く1896年に開催された第1回アテネ・オリンピックから正式種目となっている。参加国も陸上の次に多い競技でもある。オリンピックの「射撃」という種目は大きく分けて、クレー射撃とライフル射撃の2種目。クレー射撃は空中を飛ぶ皿を撃ち、ライフル射撃は静止した的を撃つ。日本においてライフル射撃競技の人口は6,000人程度とマイナースポーツである。実は大学に射撃部は多く存在しているのにテレビなどのメディアで見る機会も少ない。しかし、世界では2~3番目に競技人口が多いメジャー競技のようである。柳選手が行うライフル射撃は火薬を用いたスモールボアライフルと空気を用いたエアライフルの2つの種目。スモールボアは50m先にある的のより中心に命中させる。競技時間内に膝射40発(片膝をついて撃つ)・伏射40発(うつ伏せで撃つ)・立射40発(立って撃つ)の3姿勢で撃ち、命中した点数の合計を競う種目。エアライフルは10m先の的に立射60発の合計点を競う種目。柳選手とライフル射撃競技との出会いは今から8年前の大学2年生の時。それまで空手(形)に打ち込んでいた。大学に入り違う競技にチャレンジしたいと思っていた時、ライフル射撃という競技と出会った。すぐに競技に魅了され部活動として競技を行った。国公立戦で個人優勝し、卒部後には国体に出場。数年前からオリンピックを目指し本格的な競技生活に入った。昨年の全日本社会人(エア)で初優勝し、モチベーションもどんどん上がった。今年はナショナルチーム入りをしてオリンピック出場へのステップアップを目指している。柳選手の練習は実射練習、メンタルトレーニング、フィジカルトレーニングに区分けされる。特にここ数年メンタルトレーニングに重点をおいている。精神的な安定感が生まれ、競技中の集中力も格段に向上している。週に数回、射撃場に行き実射練習を行う。実射練習のない日は早朝からトレーナーとフィジカルトレーニングを行い、その後夜まで勤務もこなしている。「仕事も射撃も、毎日が楽しい」この楽しむ気持ちが高いモチベーションを維持し、ストイックな競技生活を支えている。柳選手がナショナルチームに入り、オリンピックの舞台で活躍する姿を見たい。
柳選手にライフル射撃の魅力を聞いてみた。
射撃の魅力は「思い描く理想的な射撃が出来た時に自分の身体と心をすべてコントロールできている」と実感できるところです。 他スポーツと異なり動きは少なく単純な動作が続きます。しかし静止している分、内面の感覚は際立ちます。呼吸の浅さや深さ、全身の筋感覚、撃つ前の思考、全てをマネジメントする必要があります。最近はメンタル理論習得に努め、精神面の強化に力をいれています。幼い頃から運動や勉学など物事に集中しやすい性格でしたが、自分と向き合うことで集中の質が向上しました。環境や他の選手を気にせず、自分自身と戦うことを感じてからは自然と競技の結果もついてきたように思います。仕事の効率も格段に上がりました。競技と共に人間としての成長を感じています。これからも毎日、目の前のことを全力で取り組んでいきます。
大東建託の皆様へ
数多くの選手の中から選んで頂き、ありがとうございます。あたたかいご支援、ご声援に感謝申し上げます。皆さんは毎日の生活で、何か没頭できる物事はありますでしょうか?スポーツ、芸術、お料理、ゲーム(健康を害しない範囲で)…楽しくて熱中する「心の状態」は生きる上での活力につながると考えています。射撃も仕事も、毎日熱中できる瞬間に出会えることを幸せに感じています。体は小さいですが、溢れる活力と笑顔を皆さんに届けられるような選手を目指します。
取材後記
今回の取材では、ライフル射撃の知識がないわたくしに、競技のこと、道具のことを、丁寧に分かりやすく話してくれました。ライフルを構え、引金に指を添える姿をカメラのファインダーから見ていると、小さな体からは想像できない、大きな力を強く感じました。その姿は、アスリートそのものです。ぜひ、大会での姿も観てみたいと思います。
柳あさこ選手ページ http://team-daito.com/athelete/78
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大東建託「未来のアスリート支援プロジェクト」TEAM DAITO
レポート:青木裕二(clutch-works)