今月、イギリスで開催された、ワールドチャレンジに出場した高崎選手から、レポートが送られてきました。高崎選手は、レース後、結果報告と出場したレースの反省点や課題を書いています。お父様の添削はあるとのことですが、本人が書いているそうです。競技のレベルアップ、成長はもちろんですが、レポートの内容も、年々、内容の濃いものになっています。本人が、レース後、客観的に自分のレースを振り返り、修正点を見つけ、練習を行い、次のレースに活かされていることを感じます。今回のワールドチャレンジは、昨年のリベンジ、優勝を目指して出場したと思います。7位という結果は悔しい結果だったと思います。しかし、レポートを読むと、気持ちは、来年に向けて動き出しています。TEAM DAITOのメンバーに入った、幼い小学生(当時7歳)だった高崎選手も中学生になりました。世界に挑戦するBMX選手としてのレベルアップはもちろんですが、アスリートとしての大事なことを学び、成長しています。そして、その成長の道を、自主性を持たせサポートしているお父様、お母様を尊敬します。未来のアスリート支援プロジェクトも、ジュニア選手の活躍、成長の姿を見れることを嬉しく思い、応援する力になります。
今回、高崎さんの了承を得て掲載させていただきました。ぜひ、読んでいただければと思います。
Race Report – 2023 UCI BMX Racing World Challenge- 高崎 成琉
日時 : 2023年8月8日
天気 :晴
出場クラス : Boys12
レースの出場人数 : 109人
【目標】優勝する事
【結果】予選 1-1-1 1/8決勝1位 1/4決勝1位 準決勝2位 決勝7位
【練習1日目】
初めてこのコースで練習をする日でワクワクしていました。 この日の練習は、フリー走行30分ゲート練習1時間で合計1時間半のプラクティスでした。 練習で気をつける事として、 ・家でコースのこなしを書いたパターンをどれが一番早いか試す (その為にコブの形状に順応する事だけに本数をさかないようにする) ・ストレートの練習だけでなく、コーナーの練習のことも考えてストレートを繋いで走る (ハイローやインベタ、全漕ぎなど) ・第一ストレートの1個目と3個目の面が見た感じたっていたので跳ねないように体を低くして面 にはいり、低くロールをする この1日の練習をとおして思ったことは、全体的に面が立っていたり、コブが深かったり、バック サイドが急だったりと分かってはいたけど難しいコースということを再確認しました。 第二ストレートの最後のコブがバックサイドが一番たっていてそこのこなしを悩んでいました。 お父さんとコースのこなしの話をしているとそこの話になりました。 話しているとお父さんが、プッシュしてからロールが早いのではないかという話になり、次の日に試してみようということになりました。
【練習2日目】
この日の練習は、ゲート練習が1時間半と言う最初からゲートがある日程でした。この日、いつも気をつけている事に加えて、転けてもいい位の責める気持ちで走る事を意識しま した。理由は、練習でそういう走りが出来なければ、レース本番では勝負にならないと思ったか らです。 この練習2日目をとおして思った事は、この日の前日にお父さんと考えた第二の最後のこなしは、プッシュ、ロールが 一番スムーズで一番速い事が分かりました。 第一コーナーの入口でイン側を閉めておかないと皆んなに 入られて、順位を落としてしまうと思いました。 他には、第一コーナーでハイローは難しいことが分ったの でもし後ろになった時に仕掛ける場所は、他のストレート か、他のコーナーで仕掛けた方が抜きやすいかなと思いま した。
【レースの当日練習】
今日の練習は、フリー走行1時間のみと言う練習日程でした。 自分の中では、3本走れたら良い方と思いました。その為、1本目から質の良い練習をしなければならないと思ったので、いつも以上にウォーミングアップをしっかりしてから練習に挑みました。 この日の練習では、少し風が吹いている事と、自分の調子 が万全なことを確認しました。 その他には、最終コーナーでハイローがしやすいことが分 かりました。 実は、練習を2本走れて戻ってきた時に後ちょっと時間が あったのですが、レースナンバーが最初の方でもう1本 走ってしまうと疲れた状態で走らないといけないことになると思い、3本目を走るのをやめてレー スに向けてしっかり体が動くようにもう一度ウォーミングアップをしたり、休憩中は、パーカー を着ているなど体が冷えないように、体が固まらないように工夫していました。
【レース本番】
1年間のやってきた練習の成果を見せる時がやっと来たかと思いました。 1本目は、いつものように落ち着いて、冷静に走ることを意識しようと思いました。 1本目は、少し緊張していました。第二ストレートが向かい風 だったので第二ストレートは思いっきりの全力ではなくリズムで 追い風を利用して加速させようと思って走りました。 そして、1本目が終わった後に日本代表コーチの三瓶さんに予選の内に先頭で余裕があるんだっ たら色々なライン取でハイローとか試しておけよと言われたので予選の2、3本目は最終コーナー とかでハイローのラインをやったりしていました。 8分の1からは一発勝負でしたが、準決勝、決勝のことを考え、なるべく上の順位で抜けたいと考 えていたので、1/8,1/4を一位で通過出来てよかったです。 準決勝は今年のヨーロピアンチャンピオンでもあるドミニクと一緒のMoto になりました。 少しいつもより力が入ったからか、スタートした瞬間後輪が滑ってしまい、出遅れてスタート。それでもまだ間に合うと思い、そのままこぎ始めましたが、隣の子と肘がぶつかってしまい転倒 しそうになりました。転倒しそうになったので、一旦こぐのをやめて距離を置きました。スタートゲートを降りるまでは、焦っていましたがスタートゲートを降りた瞬間不思議と決勝に上がる自信が湧いてきました。第一コーナーでハイローをして、第二コーナーでイン側が詰まっていたのでアウト側に行き、第二コーナーで体重をかけてきた子を何とか振り払い、その子の前に出れて、前の2人を見た時に、よ し抜ける!と思いました。得意なリズムセクションで2人を抜き、ここでもうすでに4位だったので決勝に上がれたのですがゲート選 択がこのままだと遅くなってしまうと思ったので最終コーナーで ハイローをして最終ストレートで2人抜こうと思い実行しました。 2位でゴールした瞬間これでやっとスタートラインに立てたと思いました。 このことから、冷静な気持ちや冷静な判断が大事だなと思いました。 そしてファイナル。本当の勝負ここから。 ファイナルの前に三瓶コーチに スタートで失敗すると思うなら、ドミニクのイン側(1ゲート)に行け。 スタートを決める自信があるなら、5ゲートで良い。どうする? と言われました。 僕はすぐ5ゲートにしますと言いました。 理由は絶対にスタートを決めると思ったからです。スタートラインに立った時、僕の1年間のやってきた成果を ここで全部出す!と心の中で思っていました。 スタートした瞬間、今までにない位いいスタートが決まり ました。ですがこれで、「いける!」と思って油断したのかうまく前 に出来れずアウトコースから来たフランスの子に横に並ばれ その子の腰に僕のハンドルが当たりハンドルをとられて、転倒してしまいました。スタートが良 かったにもかかわらず負けてすごく悔しかったです。
レースを終えて…
もう二度とこんな思いをしたくない。もう負けたくない。そんな思いがずっと頭の中にありま す。来年の世界選手権は5月にアメリカである予定な為そこで優勝できるように、今から死ぬ気で 練習やトレーニングを積み重ねていきたいです。来年のアメリカのコースはスプリントやスタートが大事になってくるコースだと思うのでこの1年 間スタートとスプリントを強化していきたいです。
大東建託・TEAM DAITO「未来のアスリート支援プロジェクト」は、
目標に向かって頑張るアスリートを応援します!